歯周病シリーズ第2回目歯周病になると何が起こるの?です!
こんにちは、市ヶ尾駅前プラーザ歯科、IT担当のみあです。
11月も間近ですが全然秋らしくないですが皆様いかがお過ごしですか?
遅くなりましたが、
前回の歯周病の起こり方についてはこちらからご覧くださいね。今回は理事長に書いていただきましたので、わかりやすいです。
昔は「歯槽膿漏」などと呼ばれましたが、これは歯の周囲、つまり歯を支える歯茎やその下の顎の骨(歯槽骨)に起きる病気の総称です。
ほとんどが炎症ですが、これは口の中にいる菌が歯と歯茎の縁の防衛線を突破して、歯の表面に沿って深く深く侵攻し、その周りに炎症(身体の防衛軍との戦い)が起きて周りの組織が破壊されていく状態です。腫れて膿が出て、歯がグラグラになっていきます。
歯の周りの組織は、いつも噛み合わせの強い圧力を受けるため、知覚があまり敏感ではありません。そのため、体の他の部分であれば痛むような炎症でもあまり自覚症状が起こらず、歯がグラグラになるほどに骨まで破壊されてもあまり痛みを感じません。
菌の集落が形成され、さまざまな菌がこの歯周病の病巣から身体の中に流れ込むようになります。特に深い病巣に棲みつく嫌気性(酸素を嫌う)な菌は悪玉で、代謝産物としてメタンを放出し、歯周病の強い口臭の原因になったり、強い毒性のある物質を出して炎症を悪化させたりします。
私は臨床医として多くの歯周病の症例を診てきた経験から、原因がよくわからない内臓や結合組織の炎症の多くが、歯周病の部位からの感染ではないかと疑っています。
人間の体は皮膚や粘膜で覆われており、この表面が健康であれば簡単には病原菌は侵入できません。目の結膜や鼻の粘膜、耳の中の皮膚などは比較的弱い部分ですが、そこから菌が侵入した場合、その部分に炎症が起きて痛みます(結膜炎や中耳炎)ので、普通は治療を受けますよね。しかし、歯周病は骨の深くまで菌が侵入しても気が付きにくいのです。
そのような深いところには血流が豊富な組織があり、歯周病の菌のグループが血流に乗って身体に侵入する入り口になります。身体の中の血流が穏やかなところに流れ着いて、そこで増殖しコロニー(集落)を作る場合があります。
そのコロニーで歯周病のときに作られるような物質が形成され、身体中に流れたり、ちぎれて細い血管に詰まったり(脳梗塞や心筋梗塞)します。中にはアミロイド(アルツハイマーの原因)を作る歯周病菌の種類もあり、認知症と歯周病の関係も疑われるようになってきました。事実、数年前の世界的医学論文誌に、認知症患者の脳の中から歯周病菌の一種が発見されたという記事が出て話題になりました。
このように、歯周病は万病の元として恐ろしい状態であるにもかかわらず、医科の先生方の歯周病に対する認識は「口の中は歯科の領域だから」という感覚があり、あまり重く考えられていなかったように思います。これは、縦割りパーツごとの医療の問題点であると思います。
最近では、よく勉強された医科の先生も増え、手術の前の口腔衛生管理などにも気を配ってくださるようになりましたが、それでもまだ歯周病は甘く見られていると思います。
爪と皮膚の付け根のように、歯と歯茎もシールされていますが、爪の根本ほど強いシールではありません。この弱い防衛線が突破されて一度歯の表面に沿って歯周病菌が深く入ると、もう100%の菌を殺すことはできません。体調によって再び炎症が激しくなったり、そのままどんどん深いところに菌が侵攻していったりします。
とにかく、治療より予防が大切です。正確な歯ブラシ、定期的なチェックと清掃、プロバイオティクスによる予防などが効果的です🎯
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いかがでしたか?
歯周病を放っておくと、こんないろいろな病気になる可能性を放置しておくことになります。
次回の最終回では、歯周病の予防や治療についての情報をお届けする予定です。お楽しみになさってくださいね。
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